泌尿器科

尿路・性器の感染(急性膀胱炎/急性腎盂腎炎/急性前立腺炎)

尿路・性器の感染

疾患概要

尿路の感染(性行為感染症を除く)は一般的に女性に多くおこります。感染が繰り返し起こったり、長引いたり、男性に発生する場合は合併症の有無を調べる必要があります。

急性膀胱炎

症状

  • 排尿痛
  • 頻尿
  • 尿混濁
  • 残尿感
  • 時に血尿を伴うこともあり

検査

  • まず検尿が必要です。細菌を確定するため培養を必要とすることもあります。
  • 尿流量測定 など

治療

抗生物質の服用3-5日が必要です。最近は市販の抗生物質もありますが、あまり効果は期待できません。その他、水分の摂取、安静が望ましいです。

急性腎盂腎炎

症状

  • 膀胱炎症状に伴う発熱と背部痛  ※妊娠や産後などは注意が必要

検査

  • 採血(血液検査)、検尿、尿細菌培養 

必要であれば、エコーや造影などによる尿路の検査を行います。

治療

抗生物質の服用7-10日が必要です。入院をして、点滴で抗生剤の投与が必要なことも多いです。水分の摂取、安静が必要です。

急性前立腺炎

症状

軽い残尿感、排尿障害を伴うことが多いですが、38℃以上の発熱を来たすこともあります。また、悪寒、戦慄を伴うこともあります。発熱だけの症状のこともあり、原因不明の発熱として治療される事も少なくありません。ゴルフや山歩き、長時間の運転、サイクリングの後などに起こることがよくあります。精巣上体炎を伴うこともあります。

検査

  • 検尿、採血、前立腺の触診など 

治療

一般的に入院の上、抗生物質の点滴が必要です。時に、敗血症に進展することもあります。

慢性前立腺炎

急性前立腺炎から移行することもあります、最初から慢性の形を取る場合もあります。運転手や事務など長時間座位を取る職業の人に多くみられます。

症状

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 下腹部や会陰部の痛みや不快感など

検査

  • 検尿、前立腺液検査、前立腺触診など

治療

検尿、前立腺液で感染を認める場合は抗生剤や消炎剤を投与します。その他の場合には消炎剤の投与や前立腺マッサージなどを行います。ただ、前立腺には特に問題ない場合も多く、心療内科的な治療を必要とすることもあります。

急性精巣上体炎

症状

  • 陰嚢、精巣上体の発赤と腫脹、疼痛
  • 発熱
  • ほとんど前立腺炎に合併しておこります。

検査

  • 採血、視診、触診

治療

局所の冷罨法、抗生剤の投与を行います。鎮痛剤を使用します。

急性精巣炎

症状

ほとんどが急性耳下腺炎後に発生します。耳下腺炎後4-7日で精巣の腫大、疼痛が出現します。大体片側性ですが、時に両側性の場合もあります。  

   

検査

視診、触診と耳下腺炎の有無で判断します。

治療

局所の冷罨法などの対症療法、消炎剤の投与のみですが、時にはrーグロブリンの投与を行うこともあります。

泌尿器科

高野 雄一

骨盤内にある膀胱や前立腺の近くには直腸があります。これらは同じ神経に支配されているため、排便障害を起こす人の3割は排尿障害も合併します。大腸肛門の専門病院にある当泌尿器科では、大腸肛門の機能に関する治療とあわせてこうした排泄障害に対処し、高齢者に起きやすい泌尿器の病気全般に対する診療を行っています。

泌尿器科部長

高野 雄一 (たかの ゆういち)