肛門科

粘膜脱症候群

疾患概要

多くの場合、肛門で奥の直腸前方の粘膜が排便によって刺激され、粘膜炎を起こし、それが次第に大きくなり塊状になって排便を妨げます。力んでもスッキリしないため、更に力むことで炎症がひどくなるといった悪循環が生じます。炎症がさらに進行すると潰瘍を作り、肛門の違和感や不快感が強まり、いつも便意を感じるようになります。

症状

  • 粘液の分泌
  • 出血
  • 残便感
  • 症状が悪化すると、排便時に力んでも便が出にくい状態となります。

原因

肛門の奥、直腸前方の粘膜が排便によって刺激され起こる粘膜炎

検査

問診で強いいきみの習慣を確認します。
内視鏡検査で直腸前方を中心に認められ、肉眼的に隆起型、平坦型、潰瘍型に分類されます。 隆起型では癌との鑑別が必要なこともあり、病理組織診断でfibromuscular obliterationを認めます。

治療

保存治療として、まずいきみ習慣を改善させることが第一です。緩下剤や直腸刺激性坐剤の使用、食事指導(食物繊維の摂取)などで排便時のいきみ、長便所を控えます。
排便指導、バイオフィードバック訓練を行い正常な排便習慣を身につけてもらいます。
保存治療で改善が得られない場合は手術を考慮します。経肛門的切除術、直腸固定術、自動吻合器を用いた粘膜の全周切除術(PPH)などが行われます。

肛門科

辻 順行

大腸肛門の専門病院の中核となる診療科として、肛門のあらゆる疾患について診断・治療をいたします。
4つのセンターとの強固な協力体制の下、3大肛門疾患である痔核、痔瘻、裂肛のほか、直腸肛門周囲膿瘍や坐骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻などの深部痔瘻、再発痔瘻、直腸脱、フルニエ症候群、クローン病に関係した痔瘻、肛門狭窄、手術後の後遺症などあらゆる難治性肛門疾患の治療を積極的に行っています。

副院長

辻 順行 (つじ よりゆき)