肛門科

膿皮症(臀部膿皮症)

疾患概要

臀部膿皮症(でんぶのうひしょう)とは、肛門周囲の皮膚の下が化膿する病気です。

症状

熱感、かゆみにはじまり、次第に痛みが出てきます。皮膚が感染により分厚く、硬くなり、黒色に変色します。皮膚のところどころに穴が開き、そこから膿(うみ)が出ます。癌化した症例も報告されています。  

原因

肛門周囲の汗腺(皮膚の表面まで通じていて、汗を出す腺)が感染することによって発生します。ほとんどが若い男性に発生します。一定の割合で痔瘻が見つかります。  

検査

肛門臀部の視診触診で判断します。痔瘻の有無を肛門超音波検査で確認します。  

治療

  • 手術療法

抗生物質などはまったく効果がなく、手術以外では治りません。入院手術となります。病気の部分を全部切除します。病気の範囲が広い場合には、皮膚を移植(植皮)することもあります。治癒するまでにはかなりの日数を要します。
痔瘻がある場合は一緒に治療します。

  • 薬物療法

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や自己免疫疾患等の持病をお持ちの患者様に多くみられますが、難知性の壊疽性膿皮症を発症することがあります。その場合、抗TNFα抗体の注射薬(アダリムマブ)を投与することで治癒を目指すことがあります。

肛門科

辻 順行

大腸肛門の専門病院の中核となる診療科として、肛門のあらゆる疾患について診断・治療をいたします。
4つのセンターとの強固な協力体制の下、3大肛門疾患である痔核、痔瘻、裂肛のほか、直腸肛門周囲膿瘍や坐骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻などの深部痔瘻、再発痔瘻、直腸脱、フルニエ症候群、クローン病に関係した痔瘻、肛門狭窄、手術後の後遺症などあらゆる難治性肛門疾患の治療を積極的に行っています。

副院長

辻 順行 (つじ よりゆき)