肛門科

毛巣瘻(もうそろう) 毛巣洞(もうそうどう)

疾患概要

肛門の後ろ(背中側)のお尻の割れ目に炎症をおこして膿(うみ)がたまる病気です。膿のたまるところに毛が入っていることが多いことからこの名前が付いています。毛深い若い男性に多い病気です。

症状

お尻の割れ目付近(尾てい骨付近)の痛み、腫れ、硬結(しこり)などです。
自然に破れて下着に膿が付くこともあります。  

原因

後天的に体毛が皮膚の下にもぐりこんで感染する、といわれていますが、はっきりとは分かっていません。  

検査・診断

体表超音波検査で皮下の膿瘍の存在を確認します。場所が肛門に近い場合は経肛門的な超音波検査を行い痔瘻の合併がないかを確認します。  

治療

手術以外では治りません。 急性期の膿瘍(うみの溜まり)で腫れや痛みが強い場合は、外来で局所麻酔を行ない、切開して膿を出します。これは応急処置なので、これだけだと再び膿がたまってきます。炎症が落ち着いたら入院して根治手術を行ないます。
手術は病変の部分を全部切除します。切除幅が狭い場合は単純に縫合閉鎖しますが、幅広く傷が寄らない場合は、そのまま傷を閉じずに時間をかけて治す方法と、周囲の皮膚・皮下組織を移動させて皮弁などで閉じる方法などがあります。閉じない場合は創部に持続的な陰圧をかけることで創傷治癒を促進するVAC療法を行う場合もあります。

肛門科

辻 順行

大腸肛門の専門病院の中核となる診療科として、肛門のあらゆる疾患について診断・治療をいたします。
4つのセンターとの強固な協力体制の下、3大肛門疾患である痔核、痔瘻、裂肛のほか、直腸肛門周囲膿瘍や坐骨直腸窩痔瘻、骨盤直腸窩痔瘻などの深部痔瘻、再発痔瘻、直腸脱、フルニエ症候群、クローン病に関係した痔瘻、肛門狭窄、手術後の後遺症などあらゆる難治性肛門疾患の治療を積極的に行っています。

副院長

辻 順行 (つじ よりゆき)