#残便感 の記事一覧
-
大腸がん
大腸がんとは大腸(結腸・直腸)の内側の粘膜に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。大腸は、栄養吸収がおおむね終了した消化管液から水分を吸収し、便を形作る役目をしています。身体には吸収した水分を浄化して血液中に取り込んでいくメカニズムがありますが、粘膜から発生したがん細胞も、基本的にはこのメカニズムに沿って進展していきます。
日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれており、高齢化と食生活の欧米化などにより年々罹患数が増えています。大部分は生活習慣によるものですが、他にも遺伝性大腸がんや、潰瘍性大腸炎・クローン病患者にみられる長期の慢性炎症から発生するがんもあります。 -
便秘症
これまで便秘は3日以上排便がない状態などと言われていましたが、明らかな定義はありませんでした。2017年に出版された「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来対外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。つまり、毎日排便があったとしても十分に快適に排便できていない場合は便秘として診療しようとされています。一方で、1週間に1回でもすっきり定期的にお通じがある人は便秘と呼ばないということになっています。しかし、一般的には3日以上に1回や週に2回以下の場合、便秘と呼ぶことが多いです。
-
神経因性骨盤臓器症候群(NIS)
かねてより慢性的な肛門の痛みや骨盤の痛みを訴えて来院される患者様が多くみられ、仙骨や尾骨・靭帯・筋肉などの痛みと考えられていました。あちらこちら病院を受診されても原因が分からず、治らないため長い間苦しんでおられる方も少なくありません。しかし、よく観察すると、腰椎から出て肛門に至る仙骨神経に沿って圧痛ある硬結を認め、ここから痛みが発生していることが分かりました。
-
粘膜脱症候群
肛門で奥の直腸前方の粘膜が排便によって刺激され、粘膜炎を起こし、それが次第に大きくなり塊状になって排便を妨げます。
-
直腸膣壁弛緩症・直腸瘤・レクトシール
直腸瘤(りゅう)は直腸膣壁弛緩症(ちつへきしかんしょう)やレクトシールとも呼ばれ、直腸と膣の間の壁が薄くなり、直腸が膣の方へ袋状に突き出てくるものです。便を出そうと力んでも、この袋に便が溜まり外に出にくくなります。
-
骨盤内蔵機下垂・骨盤臓器脱
骨盤内の臓器、例えば膀胱や子宮・直腸などの臓器が下がり、外に脱出するようになります。悪化すると、この3つの臓器が全部脱出することもあります。
-
直腸脱(完全直腸脱、不顕性直腸脱)
肛門から直腸壁全層が脱出する病気です。高齢の女性に多く、ひどくなると10cm以上脱出することもあります。筋層を伴って脱出する完全直腸脱と肛門から粘膜のみの脱出を認める不完全直腸脱(直腸粘膜脱)、肛門から脱出を認めない不顕性直腸脱(直腸重積)の3つに分類されます。不顕性直腸脱は直腸が下垂するが肛門の外には脱出せず、直腸内に止まり、直腸の壁が二重になるものです。